愛玩子とサンドバッグ子
最近ネットで、「愛玩子」「搾取子」と呼ばれるきょうだいのことを知った。
毒親(“毒になる親“という本から名づけられた)の特徴のひとつには「きょうだい差別」があるらしい。
同じ両親から産まれた子供でも「愛玩用」と「搾取用」に分けて徹底的に差別を行う。
私は搾取はされなかったが、「サンドバッグ用」だった。
両親(特に母親)の日頃の、うっぷん晴らしの存在。
母親にはストレス解消や気晴らしになることが何もない、農家の長男嫁の辛い生活だった。
甘やかされ放題の「愛玩子」は、気分次第で「搾取子・サンドバッグ子・奴隷子」を、苛めたり利用したりすることが多いため、 きょうだい仲は最悪になるらしい。
大人になってからも、私の悪口を妹から吹き込まれる母親はよく「お前達はきょうだい仲が悪いから」と、 私 に言った。
私は仲が悪くなるようなことはしていない。
むしろ、尽くしていた。
アレッ! 知らないうちに「奴隷姉」をやってたのだろうか。
そういえば子供の頃から、妹が父母に叱られているのを一度も、本当に一度も見た記憶がない。
私は理由もなく「お前が悪い」と、罵倒され続けた。
夫や子供が出来ておばさんと呼ばれる年齢になっても、私に対する母親の気持ちは変わらなかった。
一人で実家へ行けば、さすがにもう言葉にはしないが、トゲトゲしい感情が突き刺さり、帰りの車の中では気持ちが沈んだ。
地元出身でなく言葉のアクセントもまったく違う夫は、母親にしたらほとんど他人でよその人扱いだった。
よその人がいれば愛想が良いので、なるべく夫と一緒に行くようにした。
そんな母親も父親の介護が必要になってからは、かよわいお婆さんを強調し演じるようになった。