穏やかな心で人生の終わりの時を迎えられるように

毒親とサイコパス妹というオオタ家で育った私の、事実の吐き出しです

「あ」が、言えない


中学のたぶん2年生だったと思う。
現国の時間に、一人ずつ順番に立って本読みをしていた。
私の番が来た時は、最初が「あ」から始まる文章だったが、それが、言葉が出てこない。
うっ・・・はっ・・ 口を開けて声を出そうとしても、喉から息が出てくるだけで、どうしても「あ」が発音出来なかった。
何度もトライして苦しんでいる私を見て、教師は穏やかに止めてくれて、次の人に回してくれた。

今の時代だったら、そんな挙動不審な子供は苛めの対象だろう。
田舎だったこともあるだろうけど、よく苛められなかったと思う。
理不尽に殴られたり、腹わらが煮えくりかえるほど悔しい思いばかりしたのは、家族が関係してる事だけで、学校や友達やよその人達にすごく悔しく辛い思いをさせられたことはない。

この現国の時間から、「あ」から始まる言葉が出なくなった。

売店でバイトをすれば当然、「ありがとうございます」と言わなけばならないが、「どうもありがとうございます」みたいに「ど」から始まる言葉にすれば言えたので、私だけ「どうも」を付けてた。
その後「あ」を抜いて「りがとうございます」と言えば、おおよそ「ありがとうございます」に聞こえることがわかったのでそうしていた。

呆れるが50代になっても、「ありがとうございます」の「あ」に、詰まる時があった。